なぜ時効制度が存在するの?


所有者らしい事実状態が一定の期間継続するとその者に所有権があることになります。また権利の不行使状態が一定期間継続するとその権利は消滅します。またそうした事実状態に即応し、その開始時にさかのぼって権利の取得や消滅を認める制度を作ることで権利関係を安定させることができます。この制度の趣旨はここにあるのです。例えばある時に古い証拠をもって自分こそがその物に対する真の所有者であると名乗りでる者が出た時にそれに対する証拠や証人には長い間経過しますと散逸している場合があり証明困難になります。そのような証明困難な場合に不利益を得ることがないようにする必要があります。さらに権利を行使できるのに行使しなかった者は法律の保護に値しないという考え方もあります。この制度はこのような考えを基に作られているのです。ただしこのような制度を利用して権利の取得や消滅を認められるのには一定の事実状態が中断、停止といった障害事由なしに一定期間継続する必要があります。さらにこの要件が満たされたとしてもこの制度の利益を受けるかどうかは当事者の自由な選択にゆだねられています。その援用がなければ裁判者はこの制による裁判をすることはできないのです。

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